星に願いを/蒼天の月

星に願いを/蒼天の月

天命を
誘う月に
咲きほこる
我が身に宿る
青を知る

蓮は過去と現在、未来…この世と目に見えぬ世界の狭間に咲きゆらぐ花
青に包まれし世界の清らかなる魂は聖なる花の煌めきに宿る露のように…

数百…数万…数十万回と降り積もりし青の世界。
無数の色がぼくの指を通じて和紙の上で混じり合い生まれる青
水面の揺らめきのような、雲間のゆらぎのような…
暗闇の青と明け方の青が出会う青は、古来も今もそして未来も変わらぬ
日本の心象風景を表したものです。

1000年前も…今の世も…1000年後の人たちも
自分ではない誰かの為に、何かのために星に願いを捧げる、星に祈りをこめるという行為は
人間の尊厳ある美しい行為である
と、ぼくは思うのです。

「星に願いを」は「しふく刷り」というトトアキヒコ独自の技法で自身の指で
点描のように数十万回の時と光を重ねて染められた唐紙です。
山川草木悉有仏性ということばがあります。
葉を見る、枝振りを見る、木を見る、山を見る…
これら全てひとつひとつは、ふぞろいではあるが、つながることにより、調和の美が生まれる。
ふぞろいの中に、調和された美の世界。
そのことを自然に教えられたぼくの覚醒がもたらす色の世界が「しふく刷り」
青も赤も黄も黒も白も混ざりあいながらも、透明感のある青が生みだせないだろうか…
ふぞろいの中に見る純粋な美しさ。
この多様性の交わりこそが、ぼくの目指したものです。
ひとつひとつ重ねた青の光りは、先人へのオマージュであり、
今、ぼくが生きていることの証であり、未来への道でもある。

大切なものは目に見えない。
目に見えるものだけはなく、見えないものを感じること。
見ようとしなければ、見えず、見ようとすれば、見える、何かがあるのだ。

人は、今、ここ、の、ひとつの存在。
一見、自分と関わりのないとも思われる全ての存在に生かされていることに気づけば、
世界は平和に繋がってゆけるのに…

信じるものありますか
信じたいものありますか
だけどそこにあなたの信じるココロありますか

唐紙には、人を幸せにするチカラがあると、ぼくは信じています。
そして、そのチカラは400年もの間、唐紙を愛してくれた人たちの魂とともにぼくの背に宿っているのです。

唐紙を通じて人々が心穏やかで幸せでありますように。そして、世界が平和でありますように。
(トトアキヒコ)

星に願いを/蒼天の月 │ コムサステージ銀座店(2013年10月)