光の交響曲

光の交響曲

唐紙は、祈りの風景です。
人々の祈りや願いの物語がこめられたカミさまの宿る美しい風景を、ぼくは唐紙と呼びます。
また、唐紙は、光の文化とも言えます。
最上の唐紙の美は、陰影のゆらぎが放つ静かなる気配に在ります。
初めて菅原一剛さんと会い、その静かな気配が佇む写真を見た瞬間にこの人とは何かあると直感しました。
ゆえに一緒に作品ができないだろうかとの相談には考える必要もなく即答でした。
今回のコラボ作品は、自我や意図を越えた祈りの世界が奏でる音の世界だと思います。
写真という光と唐紙という光の交響曲に、見る人はきっと、静けさに宿る光の音を感じることでしょう。

2017年春
唐紙師トトアキヒコ

光の交響曲 │ 「KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭」ライカギャラリー京都 展示作品(2017年)