Universal Symphony
作品:Universal Symphony
MIHO MUSEUM/春季特別展「美の祈り Universal Symphony」
2023年3月18日 – 2023年6月11日
史上初となる長さ22メートルに及ぶ唐紙アート作品「Universal Symphony」が美術館にて現代アート作家としてコレクション展示されました。
MIHO MUSEUMにて、いにしえより捧げられた美の祈りから生まれたファラオやホルス神をはじめとする世界有数の古代美術作品を通じ、人類普遍の願いである世界平和について考える機会にしたいと会場構成された中に、美の祈りを奏でる東西の美術をつなぐ鍵として青き祈り「Universal Symphony」がシンボリック展示されました。また、この作品は、会期のコンセプトそのものを表現していることから、展覧会タイトルにも採用されました。会期中は、世界各国の方々数万人が来訪し盛況となり、みなさんの反響や共鳴を感じて、美は国境を越えるのだと実感しました。
この作品は、「唐紙は祈りの風景である」と提唱し世界平和を祈り続けていたぼくに「唐紙を通じて世界平和を祈るトトさんに世界平和を祈るための唐紙をお願いしたい」と、オファーをいただいたことから生まれたものです。この作品を依頼してくださった方は美術館での会期が始まる前に、この世を旅立たれましたが、会期前、作品の完成後、壁面に飾られた22メートル作品の全貌を初めてご覧になられた時に、「私はこれまで見た絵の中で一番好き」と言われました。美術館の学芸員の方が、世界にはモネやルノワールもあるのにですか?と尋ねても、「見たことのない青、私は世界中の絵の中でこれが一番好きだわ、これは本当に特別な作品であり、後世に必ず伝えないと」と言われました。世界中の美術品を知るその方の言葉にその場にいた一同が皆驚きました。
「この作品は、唐紙を超えて、東洋だけではなく、世界の名画となるアートです」との言葉を生前に残されました。
今回、初めて美術館で披露されたこのアート作品がこれから世界へと、そして未来へと伝わることを願います。
そして、ぼくはこれからの人生において、残されたその言葉が真実であったということを証明したいと思います。
2023年11月
唐紙師トトアキヒコ