朝靄に舞う桜に宿る青
朝靄に舞う桜…
今回の唐紙は、明け方の黒い青の世界から紫帯びて青を経て、ほのかな青紫へと変化する空の中、青紫の光の景色のなか、舞い上がる桜を表現したものである。
その昔…桜は田の神さまが宿る花として信仰があったとされる。そのため(さ)は「穀霊」、つまり神さまであり、桜の(くら)は「座」、つまり神さまが座るところを表すのだ。
思うに、桜は、咲きながらも散りゆく儚さにこそ、強烈な生と美を感じる。
静かに舞い上がる桜に宿る息吹を感じていただきたい…
(トトアキヒコ)
2013年4月5日 NHK美の壺 にて、この作品は紹介されました。